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2025/12/19 (号外277)

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律施行令の一部を改正する政令

告示の概要

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律施行令が改正される。第三条の見出しと条文中の「位置情報記録・送信装置」を「位置情報記録・送信装置等」に修正し、参照条文も「第十条第二項第十号」から「第十条第二項第十一号」に改める。この改正は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律の施行と同日に施行される。

解決される課題・利点

  • この政令改正は、配偶者からの暴力(DV)の防止と被害者保護を強化するため、接近禁止命令等の対象となる「位置情報記録・送信装置等」の定義を拡張することを目的としています。
  • 従来の「位置情報記録・送信装置」という限定的な表現では、技術の進歩によって登場する多様な位置特定手段に対応しきれない懸念がありました。
  • しかし、「位置情報記録・送信装置等」とすることで、GPS追跡器だけでなく、BluetoothビーコンやWi-Fi位置情報、その他電磁的な方法を用いる新たなデバイス全般が規制対象に含まれるようになります。
  • これにより、DV加害者が巧妙化する追跡手口を用いて被害者の安全を脅かす行為をより効果的に防ぎ、被害者が安心して生活できる環境を確保するための法的枠組みが強化されます。
  • 法の抜け穴を塞ぎ、被害者のプライバシーと安全を多角的に保護することが期待されます。

懸念点・リスク

  • 「位置情報記録・送信装置等」という曖昧な表現は、その解釈と適用において不明瞭さを残す可能性があります。
  • どの技術までが「等」に含まれるのかが明確でない場合、法執行機関による恣意的な判断や、予期せぬ範囲のデバイスが規制対象となる恐れがあります。
  • 例えば、スマートウォッチ、スマートフォン、自動車のテレマティクスシステムなど、正当な目的で利用される位置情報サービスが、意図せずして規制の対象と見なされるリスクも考えられます。
  • このような広範な定義は、技術開発やビジネス活動の阻害要因となる可能性があり、また、一般市民が自身の持つデバイスが規制対象となり得るかどうかを判断しづらくなるという問題も内包しています。
  • 明確なガイドラインや具体的な適用基準が示されない限り、法の運用に混乱が生じ、結果として被害者保護の実効性が損なわれる懸念があります。

法令情報

法令番号
政令第四百二十五号
公布日
2025/12/19
掲載
号外277 2P
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