高重要度
省令
医療 › 診療報酬
2026/01/28 (本紙1635)
保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部を改正する省令
告示の概要
医療法等の一部改正に伴い、保険医療機関及び保険薬局における療養担当規則を改正する。具体的には、保険医療機関の管理者要件(臨床研修修了後の診療経験、専門医資格等)を明確化し、管理者に求められる責務として、保険医の監督、申請・届出の適正化、診療録等の保存、地域連携の推進などを規定する。また、保険薬局がオンライン診療受診施設と一体的な構造または経営を行うこと、および特定の保険薬局への患者誘導の対価として利益供与を行うことを禁止する。後期高齢者医療制度においても同様の禁止事項を定める。
解決される課題・利点
- この省令改正は、保険医療機関と保険薬局における透明性と公正な運営を確保し、患者への適切な医療提供を促進することを目的としています。
- 特に、保険医療機関の管理者要件の明確化と責務の規定は、医療サービスの質を担保し、医療機関のガバナンスを強化する上で極めて重要です。
- これにより、管理者は医療倫理の遵守、診療記録の適正な管理、地域医療連携の推進など、多岐にわたる責任を果たすことが求められ、医療機関全体の質の向上に繋がります。
- また、保険薬局がオンライン診療受診施設と一体的な経営を行うことや、患者誘導の対価として利益供与を行うことの禁止は、医療市場における不当な競争を排除し、患者が自由に薬局を選択できる環境を保護します。
- これは、患者中心の医療を実現し、医療費の適正化にも寄与するものです。
懸念点・リスク
- 本省令改正によって、保険医療機関の管理者要件や責務が厳格化されることは、特に中小規模の医療機関にとって新たな負担となる可能性があります。
- 管理者として求められる広範な責務(診療方針の監督、申請・届出の適正化、診療録等の保存、地域連携)を全て満たすには、専門知識と十分な人員体制が必要となり、これが不足している医療機関では、業務過多やコンプライアンスリスクの増大を招く恐れがあります。
- また、オンライン診療受診施設と保険薬局の一体的な経営や、患者誘導に伴う利益供与の禁止は、医療連携の形を制限し、新たなサービスモデルの創出を妨げる可能性があります。
- 例えば、地域で医療・介護サービスを提供する中で、患者の利便性を高めるための柔軟な連携が、この規定によって阻害されるケースも考えられます。
- さらに、「一体的な経営」や「利益供与」の具体的な解釈が曖昧な場合、現場での判断が困難となり、不必要な萎縮や、意図しない違反を招くリスクも内包しています。
法令情報
- 法令番号
- 厚生労働省令第八号
- 公布日
- 2026/01/28
- 掲載
- 本紙1635 1P, 3P~5P
原文
医療法等の一部を改正する法律(令和七年法律第八十七号)の一部の施行に伴い、並びに健康保険法(大正十一年法律第七十号)第七十条第一項及び第七十条の二の規定に基づき、保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部を改正する省令を次のように定める。 (保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部改正) 第一条 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十五号)の一部を次の表のように改正する。 (法第七十条の二第一項第二号の厚生労働省令で定める要件) 第十一条の四 法第七十条の二第一項第二号の厚生労働省令で定める要件は、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の二第一項の規定による臨床研修又は歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第十六条の二第一項の規定による臨床研修を修了した者であつて、次の各号のいずれかに該当することとする。 一 保険医療機関(医師の場合は、病院に限る。)において保険医として三年以上診療に従事した経験のある者であること。 二 法第六十三条第三項第二号又は第三号に掲げる病院又は診療所(医師の場合は、病院に限る。)において三年以上診療に従事した経験のある者であること。 三 医療法第三十条の二十三第二項第一号に規定する計画の適用を受け、現に当該計画に基づき診療に従事している者又は当該計画の適用後三年以内の者であること。 四 一般社団法人日本専門医機構が認定する基本領域の専門医の資格を持つ者その他これに準ずる者であること。 五 矯正医官、医師又は歯科医師である自衛官その他の公務員として五年以上勤務した経験のある者であること。 六 第一号、第二号又は前号の要件のうちいずれかの要件に係る期間の合計が五年を超える者であること。 七 緊急に保険医療機関の管理者の地位を承継する者その他やむを得ない事由がある者であること。 (保険医療機関の管理者の責務) 第十一条の五 保険医療機関の管理者は、法第七十条の二第二項に規定する責務のほか、次に掲げる責務を果たさなければならない。 一 当該保険医療機関に勤務する保険医が第二章に定める保険医の診療方針等を遵守するよう監督すること。 二 当該保険医療機関における療養の給付に関する厚生労働大臣又は地方厚生局長若しくは地方厚生支局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続が適正に行われるよう監督すること。 三 当該保険医療機関における診療録の記載及び整備並びに療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録の保存が適正に行われるよう監督すること。 四 当該保険医療機関に勤務する医師、歯科医師、薬剤師その他の従業者の連携を図るとともに、地域の病院若しくは診療所その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携を図ること。 (保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部改正) 第二条 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十六号)の一部を次の表のように改正する。 (健康保険事業の健全な運営の確保) 第二条の三 保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、次の各号に掲げる行為を行つてはならない。 一 保険医療機関若しくは医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第二条の二第二項に規定するオンライン診療受診施設(以下「オンライン診療受診施設」という。)(別に厚生労働大臣が定める要件に該当するものを除く。以下この号において同じ。)と一体的な構造とし、又は保険医療機関若しくはオンライン診療受診施設と一体的な経営を行うこと。 二 保険医療機関若しくは保険医又はオンライン診療受診施設に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、金品その他の財産上の利益を供与すること。 (後期高齢者医療制度の健全な運営の確保) 第二十五条の三 保険薬局は、その取り扱う療養の給付及び保険外併用療養費に係る療養に関し、次の各号に掲げる行為を行つてはならない。 一 保険医療機関若しくは医療法第二条の二第二項に規定するオンライン診療受診施設(以下「オンライン診療受診施設」という。)(別に厚生労働大臣が定める要件に該当するものを除く。以下この号において同じ。)と一体的な構造とし、又は保険医療機関若しくはオンライン診療受診施設と一体的な経営を行うこと。 二 保険医療機関若しくは保険医又はオンライン診療受診施設に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、金品その他の財産上の利益を供与すること。 附則 この省令は、令和八年四月一日から施行する。