高重要度
法規的告示
労働 › 雇用政策
2025/12/23 (号外280)
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律等の施行に伴う事業主行動計画策定指針の一部を改正する件
告示の概要
この告示改正は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」の施行に伴い、事業主行動計画策定指針を改定するものである。主な変更点として、一般事業主行動計画および特定事業主行動計画の策定において、「賃金の男女の差異」の把握・課題分析、目標設定、および公表が明確に義務付けられる。また、女性の健康特性への配慮、ハラスメント対策、柔軟な働き方推進に関する項目が強化され、行動計画の策定・公表・推進に関する具体的なガイドラインが更新される。これにより、より多角的な視点から女性活躍推進を促し、職場環境の改善と人材の多様化を目指す。
解決される課題・利点
- この告示改正は、企業の女性活躍推進への取り組みを、より具体的かつ実効的なものへと転換させる。
- 特に「賃金の男女の差異」の明確化は、長年の課題であった性別賃金格差の是正に直結する。
- これにより、企業は賃金構造の透明性を高め、根拠に基づいた改善策を講じる必要に迫られるため、表面的な取り組みに留まらず、本質的な公平性確保が促進される。
- また、女性の健康特性への配慮やハラスメント対策の強化は、女性従業員が安心して能力を発揮できる職場環境の整備に不可欠である。
- これにより、女性がキャリアを中断することなく継続的に活躍できる基盤が強化され、企業は優秀な人材の定着・確保に繋がる。
懸念点・リスク
- この告示改正には、企業にとっての負担増大や、成果の評価に関する懸念が指摘される。
- 特に「賃金の男女の差異」のデータ収集、分析、公表は、複雑な要因が絡むため、その定義や測定方法が曖昧だと、形骸化したり、企業間で不公平な比較を招いたりする可能性がある。
- 中小企業においては、専門知識やリソースの不足から、この新たな義務への対応が困難となるケースも想定される。
- また、女性の健康特性への配慮やハラスメント対策の強化は重要であるものの、具体的な取り組みが「やったふり」に終わるリスクもある。
- 形式的な制度導入だけで、実質的な意識改革や文化変革が伴わない場合、その効果は限定的となるだろう。
法令情報
- 法令番号
- 〇内閣官房・内閣府・総務省・厚生労働省告示第一号
- 公布日
- 2025/12/23
- 掲載
- 号外280 51P~71P
原文
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和七年法律第六十三号)の施行に伴い、及び女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)第七条第一項の規定に基づき、事業主行動計画策定指針(平成二十七年内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省告示第一号)の一部を次のように改正したので、同条第三項の規定により告示する。令和七年十二月二十三日内閣総理大臣高市早苗総務大臣林芳正厚生労働大臣上野賢一郎 第二部一般事業主行動計画 第一 女性の活躍の意義、現状及び課題 二 女性の活躍の現状 我が国の雇用者に占める女性の割合は四割を超えている。一方、その半数以上は非正規雇用労働者であり、また、管理職以上に登用されている女性の割合は二割程度と低い水準となっている。 (中略) この点、男女の賃金の額の差異の状況については、行動計画の策定等による取組の結果、特に女性の継続就業や登用の進捗を測る観点から有効な指標となり得ることから、当該状況の把握が義務付けられている常時雇用する労働者の数が百人を超える事業主のみならず、常時雇用する労働者の数が百人以下の事業主についても、各企業の実情を踏まえつつ、この指標の積極的な把握に努めることが重要である。 (中略) 二 状況把握・課題分析 イ 状況把握・課題分析の方法 行動計画の策定に当たっては、まず、別紙四の第一欄の項目の状況把握を行い、課題分析を行うことが求められる。その結果、特定事業主にとって課題であると判断された事項については、別紙四の第二欄の項目を活用し、別紙五の観点も参考に、更にその原因の分析を深めるべきである。 (中略) 三 行動計画の策定 イ 数値目標の設定 数値目標の設定の対象については、状況把握・課題分析の結果、各特定事業主にとって課題であると判断されたものに対応すべきであるが、職業生活における女性の継続的な活躍を推進していくためには、その任用し、又は任用しようとする女性に対する職業生活に関する機会の提供とその任用する職員の職業生活と家庭生活との両立に資する勤務環境の整備に関する取組をバランスよく進めていくことが重要である。このため、状況把握・課題分析の結果を勘案した上で、別紙四の区分に属する状況把握項目に関連する数値目標をそれぞれ一つ以上設定することが求められる。 (中略) 六 情報の公表 イ 情報の公表の項目及び方法 情報の公表については、別紙六のからまで並びに及びの区分の項目(及びを除く。)のほか、別紙六の及びの項目を、常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主については別紙六のからまで並びに及びの項目からそれぞれ一つ以上を選択して、広報誌やホームページへの掲載等、求職者が容易に閲覧できる方法によって行う必要がある。その際には、行動計画策定の際に状況把握・課題分析した項目から選択することが基本であり、別紙六のとしては、セクシュアルハラスメント等対策の整備状況、女性の健康上の特性に係る取組の状況、特定事業主として実施する教育訓練・研修の概要及び中途採用の概要等が、同表のとしては、テレワークやフレックスタイム制等の柔軟な働き方に資する制度の概要及びその円滑な施行のため特定事業主が実施する取組の概要等が考えられる。 以下略