告示の概要
放送法第二十条の三第一項に基づき、必要的配信に適用される技術基準を定める。映像信号については、有効走査線数1080本、順次走査方式、フレーム周波数30/1.001Hz、画面比16:9を基準とする。音声信号については、標本化周波数48kHz、量子化ビット数16ビット、2チャンネルを基準とする。ただし、番組関連情報の配信や伝送路・端末性能に応じて特例を設ける。
解決される課題・利点
- 本省令は、放送法改正によって導入される「必要的配信」制度の基盤となる技術基準を明確化し、国民が災害時などの緊急事態において、良質な放送コンテンツに安定的にアクセスできる環境を整備することを目的としています。
- 特に、映像信号の解像度(有効走査線数1080本)、走査方式(順次)、フレーム周波数、画面比率、音声信号の標本化周波数、量子化ビット数、チャンネル数といった具体的な技術要件を定めることで、配信される情報の品質を一定水準以上に保ち、視聴体験の低下を防ぎます。
- これにより、緊急情報を視覚的にも聴覚的にも明確に伝えることが可能となり、情報の正確な伝達と理解促進に貢献します。
- また、番組関連情報や技術的な制約に応じた特例を設けることで、実情に即した柔軟な運用も可能とし、新たな配信技術への対応も視野に入れています。
懸念点・リスク
- 本省令で定められた必要的配信の品質基準は、高い技術水準を要求するため、関連事業者にとっては設備投資やシステム改修の負担が大きくなる可能性があります。
- 特に、現状のインフラや技術レベルがこの基準を満たしていない事業者にとっては、多額の費用と時間がかかることが懸念されます。
- また、映像・音声の品質基準が詳細に定められる一方で、配信の遅延や中断に関する基準が不明瞭である場合、緊急時に情報がタイムリーに届かない可能性も内包しています。
- さらに、特例規定の適用範囲が広範であるため、その解釈や運用において曖昧さが生じる可能性も考えられます。
- 技術基準は技術革新のペースに追いつく必要があるため、将来的な技術の進歩に対応できるよう、継続的な見直しと柔軟な改定メカニズムが不可欠となります。
法令情報
- 法令番号
- 総務省令第八十四号
- 公布日
- 2025/08/22
- 掲載
- 号外190 17P
原文
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二十条の三第一項の規定に基づき、必要的配信の品質に関する技術基準を定める省令を次のように定める。 令和七年八月二十二日 総務大臣 村上誠一郎 必要的配信の品質に関する技術基準を定める省令 (目的) 第一条 この省令は、放送法第二十条の三第一項の規定に基づき、配信用設備に適用される技術基準(同条第二項第二号に係るものに限る。)を定めることを目的とする。 (定義) 第二条 この省令において使用する用語は、放送法及び放送法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十号)において使用する用語の例による。 (映像信号) 第三条 配信基盤から送出される映像信号は、次の各号によるものとする。 一 有効走査線数にあっては千八十本 二 走査方式にあっては順次 三 フレーム周波数にあっては三十/一・○○一ヘルツ 四画面の横と縦の比にあっては十六対九 (音声信号) 第四条 配信基盤から送出される音声信号は、次の各号によるものとする。 一 標本化周波数にあっては四十八キロヘルツ 二 量子化ビット数にあっては十六ビット 三 音声チャンネルにあっては二チャンネル (配信の品質についての規定の適用の特例) 第五条 前二条の規定は、番組関連情報の配信を行う場合並びに伝送路の区間の状態及び視聴者端末の性能その他配信の実態に照らして合理的と認められる場合には、これによらないことができる。 附則 この省令は、放送法の一部を改正する法律(令和六年法律第三十六号)の施行の日から施行する。