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2026/02/20 (本紙1651)

生活保護法第八条第一項の規定に基づく生活保護の基準の特例

告示の概要

生活保護法に基づく保護基準の特例を定める告示。平成25年8月から令和8年3月までの期間、対象者の需要を従来の保護基準による算定額に、特定期間ごとの各種基準生活費や加算額に一定の割合(千分の八、千分の十六、千分の二十四)を乗じて得た額を加算した合計額で測定することとする。

解決される課題・利点

  • 生活保護の基準は、物価変動や社会情勢の変化に対応するために定期的に見直されるが、その間にも生活困窮者の実質的な生活費は変動し、特に低所得者層ほど物価上昇の影響を受けやすいという課題がある。
  • 本告示は、平成25年8月から令和8年3月までの長期にわたる期間において、保護基準による算定額に加えて、過去の物価上昇などを考慮した特定の加算額を支給することで、生活保護受給者の実質的な購買力の維持を図り、生活困窮者の生活水準を安定させることを目的としている。
  • これにより、生活保護受給者が経済的な困難に直面することなく、最低限度の文化的な生活を営むための支援が強化される。
  • また、期間ごとに加算率を細かく設定することで、過去の経済状況に応じたきめ細やかな対応が可能となり、制度の公平性と実効性を高めることにも繋がる。
  • これは、社会保障制度が国民のセーフティネットとしての機能を果たす上で重要な措置であり、貧困の連鎖を断ち切り、社会全体の安定に貢献するものである。

懸念点・リスク

  • 本告示による生活保護基準の特例措置は、過去の物価変動を考慮した加算を行うものであるが、その加算率(千分の八、千分の十六、千分の二十四)が、実際の物価上昇率や生活費の増加に十分に対応しているかという点が懸念される。
  • 特に、食料品やエネルギー価格の高騰など、特定の品目の物価上昇が著しい場合、一律の加算率では生活保護受給者の負担増を完全に補填できない可能性がある。
  • また、この特例措置が令和8年3月までの期間限定であるため、それ以降の生活保護基準がどのように改定されるかによって、受給者の生活に再度不安定な影響を与える可能性がある。
  • 長期的な視点で見れば、こうした一時的な特例措置ではなく、保護基準の抜本的な見直しや、物価スライド制の導入など、より柔軟で持続可能な制度設計が求められる。
  • さらに、本告示は複雑な算定式を用いており、制度の透明性や受給者にとっての理解のしやすさも課題となりうる。

法令情報

法令番号
厚生労働省告示第四十三号
公布日
2026/02/20
掲載
本紙1651 4P~5P
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