告示の概要
生活保護法に基づく保護基準の特例を定める告示。平成25年8月から令和8年3月までの期間、対象者の需要を従来の保護基準による算定額に、特定期間ごとの各種基準生活費や加算額に一定の割合(千分の八、千分の十六、千分の二十四)を乗じて得た額を加算した合計額で測定することとする。
解決される課題・利点
- 生活保護の基準は、物価変動や社会情勢の変化に対応するために定期的に見直されるが、その間にも生活困窮者の実質的な生活費は変動し、特に低所得者層ほど物価上昇の影響を受けやすいという課題がある。
- 本告示は、平成25年8月から令和8年3月までの長期にわたる期間において、保護基準による算定額に加えて、過去の物価上昇などを考慮した特定の加算額を支給することで、生活保護受給者の実質的な購買力の維持を図り、生活困窮者の生活水準を安定させることを目的としている。
- これにより、生活保護受給者が経済的な困難に直面することなく、最低限度の文化的な生活を営むための支援が強化される。
- また、期間ごとに加算率を細かく設定することで、過去の経済状況に応じたきめ細やかな対応が可能となり、制度の公平性と実効性を高めることにも繋がる。
- これは、社会保障制度が国民のセーフティネットとしての機能を果たす上で重要な措置であり、貧困の連鎖を断ち切り、社会全体の安定に貢献するものである。
懸念点・リスク
- 本告示による生活保護基準の特例措置は、過去の物価変動を考慮した加算を行うものであるが、その加算率(千分の八、千分の十六、千分の二十四)が、実際の物価上昇率や生活費の増加に十分に対応しているかという点が懸念される。
- 特に、食料品やエネルギー価格の高騰など、特定の品目の物価上昇が著しい場合、一律の加算率では生活保護受給者の負担増を完全に補填できない可能性がある。
- また、この特例措置が令和8年3月までの期間限定であるため、それ以降の生活保護基準がどのように改定されるかによって、受給者の生活に再度不安定な影響を与える可能性がある。
- 長期的な視点で見れば、こうした一時的な特例措置ではなく、保護基準の抜本的な見直しや、物価スライド制の導入など、より柔軟で持続可能な制度設計が求められる。
- さらに、本告示は複雑な算定式を用いており、制度の透明性や受給者にとっての理解のしやすさも課題となりうる。
法令情報
- 法令番号
- 厚生労働省告示第四十三号
- 公布日
- 2026/02/20
- 掲載
- 本紙1651 4P~5P
原文
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第八条第一項の規定により、平成二十五年八月から 令和八年三月までの間の生活保護法による保護の基準の特例を次のように定め、令和八年三月一日か ら適用する。 厚生労働大臣 上野賢一郎 令和八年二月二十日 平成二十五年八月から令和八年三月までの間の生活保護法による保護の基準の特例 平成二十五年八月から令和八年三月までの間に生活保護法による保護の基準(昭和三十八年厚生省 告示第百五十八号。以下「保護の基準」という。)に基づき保護の基準別表第1第1章の基準生活費又 は第3章の入院患者日用品費若しくは介護施設入所者基本生活費が算定された者(以下「対象者」と いう。)の生活保護法第八条第一項に規定する需要は、保護の基準により算定された額及び次に掲げる 額の合計額により測定するものとする。 一 平成二十五年八月から平成二十六年三月までの間において適用されていた保護の基準により対象 者に算定された各月の居宅基準生活費(保護の基準別表第1第1章の1の2のアにより算定された 基準生活費(同章の1の11の地区別冬季加算額及び同章の1の2のアの期末一時扶助費を除く。)を いう。以下同じ。)、救護施設等基準生活費(同章の2の2のアにより算定された基準生活費をいう。 以下同じ。)(同章の2の(1)のイの地区別冬季加算額及び同章の2の2のアの期末一時扶助費を除く。 次号及び第三号において同じ。)、地区別冬季加算額、妊産婦加算(同表第2章の1の妊産婦加算を いう。以下同じ。)、障害者加算(同章の2の11の加算額をいう。以下同じ。)、介護施設入所者加算 (同章の3の介護施設入所者加算をいう。以下同じ。)、在宅患者加算(同章の4の在宅患者加算を いう。以下同じ。)、放射線障害者加算(同章の5の放射線障害者加算をいう。以下同じ。)(平成二 十五年十月から平成二十六年三月までの間において適用されていたものに限る。)、母子加算(同章 の8の11の加算額をいう。以下同じ。)、入院患者日用品費(同表第1章の3又は同表第3章の1の 入院患者日用品費をいう。以下同じ。)(同表第1章の3及び同表第3章の1の(1)の地区別冬季加算 額を除く。次号及び第三号において同じ。)及び介護施設入所者基本生活費(同章の2の介護施設入 所者基本生活費をいう。以下同じ。)(同章の2の11の地区別冬季加算額を除く。次号及び第三号に おいて同じ。)のそれぞれの額に千分の八を乗じて得た額(その額に十円未満の端数が生じたときは、 これを十円に切り上げるものとする。)の合計額 二 平成二十六年四月から平成二十七年三月までの間において適用されていた保護の基準により対象 者に算定された各月の居宅基準生活費、救護施設等基準生活費、地区別冬季加算額、妊産婦加算、 障害者加算、介護施設入所者加算、在宅患者加算、放射線障害者加算、母子加算、入院患者日用品 費及び介護施設入所者基本生活費のそれぞれの額に千分の十六を乗じて得た額(その額に十円未満 の端数が生じたときは、これを十円に切り上げるものとする。)の合計額 三 平成二十七年四月から平成三十年九月までの間において適用されていた保護の基準により対象者 に算定された各月の居宅基準生活費、救護施設等基準生活費、地区別冬季加算額(保護の基準別表 第1第1章の3の入院患者日用品費に係る地区別冬季加算額並びに同表第3章の1の(1)及び同章の 2の(1)の地区別冬季加算額に限る。)、妊産婦加算、障害者加算、介護施設入所者加算、在宅患者加 算、放射線障害者加算、母子加算、入院患者日用品費及び介護施設入所者基本生活費のそれぞれの 額に千分の二十四を乗じて得た額(その額に十円未満の端数が生じたときは、これを十円に切り上 げるものとする。)の合計額 四 平成三十年十月から令和八年三月までの間において適用されていた保護の基準により対象者に算 定された各月の救護施設等基準生活費(保護の基準別表第1第1章の2の(1)のイの地区別冬季加算 額、同章の2の2のアの期末一時扶助費及び同章の4の特例加算を除く。)、地区別冬季加算額(同 章の3の入院患者日用品費に係る地区別冬季加算額並びに同表第3章の1の(1)及び同章の2の11の 地区別冬季加算額に限る。)、妊産婦加算、障害者加算、介護施設入所者加算、在宅患者加算、放射 線障害者加算、母子加算(同表第2章の8の11のうち在宅者に係るものを除く。)、入院患者日用品 費(同表第1章の3及び同表第3章の1の(1)の地区別冬季加算額並びに同章の1の④の特例加算を 除く。)及び介護施設入所者基本生活費(同章の2の11の地区別冬季加算額及び同章の2の4の特例 加算を除く。)のそれぞれの額に千分の二十四を乗じて得た額(その額に十円未満の端数が生じたと きは、これを十円に切り上げるものとする。)の合計額 五平成二十五年十二月から令和七年十二月までの間において適用されていた保護の基準により対象 者に算定された各月の期末一時扶助費のそれぞれの額に千分の二十四を乗じて得た額(その額に十 円未満の端数が生じたときは、これを十円に切り上げるものとする。)の合計額