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2025/07/30 (号外174)

蓄電池設備の基準及び昭和五十年消防庁告示第十四号の一部を改正する件

告示の概要

本告示改正は、消防法施行規則等に基づき、蓄電池設備の基準および点検基準の一部を改正するものである。 「蓄電池設備の基準」に関する改正では、蓄電池の構造・性能について、鉛蓄電池の国際電気標準会議規格(IEC)への適合性やJIS規格への適合性に関する規定が追加された。アルカリ蓄電池についても、ニッケル・水素蓄電池のJIS規格やIEC規格への適合性が追加されている。充電装置の構造・性能に関しては、直交変換装置を有する蓄電池設備における温度上昇値の許容基準が、ダイオードおよびトランジスタを用いた場合に110度以下と明確化された。 「消防用設備等の点検の基準」に関する改正では、別表第25「非常電源(蓄電池設備)の点検の基準」の機器点検項目が修正され、充電装置、逆変換装置、直交変換装置の点検の確認事項に関する例外規定が追加された。特に、直交変換装置を用いる場合は、その確認をもって充電装置と逆変換装置の確認に代えられる場合があることが明記された。

解決される課題・利点

  • この告示改正は、消防用設備の非常用電源として使用される蓄電池設備の安全性と信頼性を向上させ、点検基準を明確化することで、火災発生時における電力供給の確実性を保証します。
  • 国際規格やJIS規格への適合性を新たに盛り込むことで、蓄電池の品質基準が国際的なレベルに統一され、より安全で信頼性の高い製品が市場に供給されるようになります。
  • これにより、緊急時に非常電源が機能しないといったリスクが低減され、消火栓ポンプや排煙設備などの消防用設備が安定的に作動し続けることが期待されます。
  • また、充電装置の温度上昇値に関する具体的な数値基準(ダイオード及びトランジスタで110度以下)は、過熱による故障や火災のリスクを軽減し、設備の長寿命化と安全運用に貢献します。
  • 点検基準の改正により、直交変換装置を持つ設備における点検項目が簡素化されることで、点検作業の効率化と負担軽減が図られ、より定期かつ適切なメンテナンスが促進されます。

懸念点・リスク

  • 今回の告示改正により、蓄電池設備の製造業者や設置業者、保守業者には、新たなJIS規格やIEC規格への適合、充電装置の温度上昇試験の実施、点検基準の変更への対応など、多岐にわたる負担が発生する可能性があります。
  • 特に、国際規格への適合は、製品設計や製造プロセスの見直しを伴うことが多く、これには多大な時間とコストがかかる可能性があります。
  • 中小規模の製造業者にとっては、技術開発投資や試験設備の導入が経営を圧迫し、市場競争力の低下や事業からの撤退を招く懸念も存在します。
  • また、点検基準の改正に伴い、保守業者には新たな点検方法や確認事項の習得が求められ、研修コストや作業時間の増加につながる可能性があります。
  • 特に、直交変換装置を持つ複雑な設備においては、点検員に対する高度な専門知識と技術が要求され、適切な人材の確保が課題となることも考えられます。

法令情報

法令番号
消防庁告示第六号
公布日
2025/07/30
掲載
号外174 23P~25P
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