告示の概要
食品衛生法施行規則の一部改正は、飲食店営業における「簡易な営業」および「従業員が常駐せず全自動調理機により調理された食品を販売する営業」に関する衛生基準を定めるもの。特に、全自動調理機を利用した飲食店の営業形態が拡大する中、その衛生管理に関する具体的な要件(監視設備、異常時停止機能、温度管理、汚染防止構造、時間経過による食品提供停止機能、連絡先掲示)が新設され、新たなビジネスモデルに対応した食品の安全確保が図られる。
解決される課題・利点
- 近年、人手不足や効率化の観点から、自動調理機を活用した飲食店の営業形態が増加している。
- 従来の食品衛生規制は、人間が調理・提供する飲食店を主な対象としており、自動調理機による営業に特化した詳細な衛生基準が不足していた。
- この改正により、自動調理機が調理から提供までを担う場合における衛生管理の具体的な要件が明文化される。
- これにより、利用者は自動調理機による食品提供においても安全性を享受できるようになり、事業者側も遵守すべき基準が明確化されることで、新たなビジネスモデルへの参入が促進され、消費者の利便性向上と多様な食の提供が可能となる。
- 特に、原材料の温度管理、調理工程の監視、異常発生時の自動停止機能、汚染防止構造、そして一定時間経過後の食品提供停止機能など、自動調理機の特性に応じたきめ細やかな基準が設けられたことで、食中毒リスクの低減や食品の品質保持が強化されることが期待される。
懸念点・リスク
- この省令改正は、自動調理機による飲食店営業に新たな衛生基準を設けるものだが、いくつかの懸念点も内包している。
- まず、「全自動調理機」の定義が広範であり、具体的な技術仕様や認定プロセスが明確でない場合、多種多様な機器の解釈に混乱が生じる可能性がある。
- これにより、各都道府県や事業者間で基準の適用にばらつきが生じ、結果的に食品衛生のレベルに差が生じるリスクがある。
- 次に、監視設備や異常時停止機能、温度管理機能などの導入には初期費用や運用コストがかかるため、中小規模の事業者にとっては経済的負担が大きく、新規参入や事業継続を妨げる要因となりうる。
- 特に、既存の簡易な営業を行っている事業者が、これらの基準を満たすために大規模な設備投資を強いられる可能性も考慮する必要がある。
法令情報
- 法令番号
- 厚生労働省令第七十二号
- 公布日
- 2025/07/02
- 掲載
- 本紙1498 1P~2P
原文
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十四条(同法第六十八条第一項及び第三項に おいて準用する場合を含む。)の規定に基づき、食品衛生法施行規則の一部を改正する省令を次のよう に定める。 令和七年七月二日 食品衛生法施行規則の一部を改正する省令 厚生労働大臣 福岡 資麿 食品衛生法施行規則(昭和二十三年厚生省令第二十三号)の一部を次の表のように改正する。 改 正 後 別表第十九(第六十六条の七関係) 一~四 (略) 五 その他 イ (略) 口令第三十五条第一号に規定する飲食店 営業のうち、簡易な営業(そのままの状 態で飲食に供することのできる食品を食 器に盛る、そうざいの半製品を加熱する 等の簡易な調理のみをする営業をいい、 喫茶店営業(喫茶店、サロンその他設備 を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に 飲食させる営業をいう。)を含む。ただし、 従業者が常駐せず全自動調理機(自動的 に食品を調理し、調理された食品を提供 する機能を有する調理器具であつて、令 第三十四条の二第二号の調理の機能を有 する自動販売機と同等以上の材質、構造、 機能等を有するものをいう。以下同じ。) により調理された食品を販売する営業を 除く。別表第二十第一号イ11)において同 じ。)をする場合にあつては、イの規定に よるほか、次に定める基準により営業を することができる。 11~4 (略) 八令第三十五条第一号に規定する飲食店 営業のうち、自動車において調理をする 場合(従業者が常駐せず全自動調理機に より調理された食品を販売する場合を除 く。別表第二十第一号イにおいて同じ。) にあつては、第三号二、リ、ヲ及びタの 基準を適用しない。 イ (略) 二令第三十五条第一号に規定する飲食店 営業のうち、従業者が常駐せず全自動調 理機により調理された食品を販売する場 合にあつては、第三号チ、リ、ヲ、ワ、 タ及びレ並びに前号トの基準を適用しな い。 ホ~ト(略) 別表第二十(第六十六条の七関係) (新設) 二~へ (略) 一令第三十五条第一号に規定する飲食店営 業 自動車において調理をする場合にあつ ては、次に掲げる要件を満たすこと。 1~3 (略) 二~三十 (略) 従業者が常駐せず、全自動調理機によ り調理された食品を販売する場合にあつ ては、次に掲げる要件を満たすこと。 施設(全自動調理機を含む。)及び 6において同じ。)の全体の衛生状況を 確認するための監視設備を有するこ と。 施設に異常が生じた場合に、当該施 設の営業者が全自動調理機を停止する ことができる機能を有すること。 全自動調理機が、原材料の温度、調 理の工程等の状況を監視し、異常が生 じた場合に自動的に停止する機能を有 すること。 全自動調理機が、外部からの汚染等 を防止する構造を持つ、調理後の食品 に係る保管設備を有すること。 5 全自動調理機が、調理後の食品につ いて、一定の時間を経過した場合には、 当該食品を提供しない機能を有するこ と。 施設に異常が生じた場合に当該施設 の営業者と連絡ができるよう、当該営 業者の連絡先の掲示を行うこと。 二~三十 (略) 附則 (施行期日) この省令は、令和八年四月一日から施行する。 (経過措置) 2 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十四条の規定により基準を定める都道府県 は、この省令の施行の日前においても、この省令による改正後の別表第十九及び別表第二十の基準 を参酌して、条例で、公衆衛生の見地から必要な基準を定めることができる。