告示の概要
事業性融資の推進等に関する法律の施行に伴い、同法の運用に必要な規定を整備する政令。具体的には、対象となる金融機関(銀行、外国保険会社等、外国信託会社など)の範囲、不特定被担保債権留保額の算定方法、担保権信託会社の技術的読替え(信用協同組合、農協、保険会社、外国信託会社など)、兼業業務の範囲、紛争解決機関に関する規定、企業価値担保権に関する登記(申請情報、登記令の準用、登記識別情報の提供代替措置など)を詳細に定める。
解決される課題・利点
- 本政令は、事業性融資の推進等に関する法律の円滑な施行を可能にし、企業の新たな資金調達手段を確立することで、経済活性化を促進します。
- 特に、企業価値担保権を活用した融資制度の整備は、無形資産や将来収益を担保とすることで、従来の不動産担保に依存しない多様な資金調達を可能にし、特に成長段階にある中小企業やスタートアップの資金調達課題を解決します。
- これにより、企業の成長が加速し、新たな雇用創出やイノベーションが促進されます。
- 金融機関にとっては、担保評価の多様化によりリスク分散が図られ、新たな融資機会が生まれるとともに、融資先の事業内容をより深く理解する「事業性評価」の高度化が促されます。
- また、関連法令(信託業法、不動産登記法など)との整合性を図り、技術的読替えや紛争解決に関する規定を設けることで、制度の透明性と安定性が確保され、関係者間の信頼性が向上し、円滑な取引環境が整備されることが期待されます。
懸念点・リスク
- 事業性融資の推進等に関する法律施行令は、新たな金融制度の導入に伴い、いくつかの懸念点も内包しています。
- まず、企業価値担保権という新たな担保形態の評価は、従来の不動産担保に比べて難易度が高く、金融機関のリスク評価能力が問われます。
- 特に、無形資産や将来収益の評価基準が確立されていない場合、過大評価や過小評価のリスクが生じ、不良債権化や金融システム全体の不安定化に繋がる可能性があります。
- また、担保権信託会社の技術的読替えは複雑であり、多様な金融機関が適切に制度を理解し運用するための十分な研修や周知徹底が不可欠です。
- これが不十分な場合、法制度の誤解や運用ミスが発生し、法的紛争や顧客保護の不備に繋がる恐れがあります。
法令情報
- 法令番号
- 政令第二百四十三号
- 公布日
- 2025/07/02
- 掲載
- 号外151 6P~17P
原文
事業性融資の推進等に関する法律施行令をここに公布する。 御名御璽 令和七年七月二日 内閣総理大臣石破茂 総務大臣 村上誠一郎 法務大臣 鈴木 馨祐 財務大臣 加藤勝信 厚生労働大臣 福岡 資麿 農林水産大臣 小泉進次郎 経済産業大臣武藤容治 国土交通大臣 中野 洋昌 政令第二百四十三号 事業性融資の推進等に関する法律施行令 内閣は、事業性融資の推進等に関する法律(令和六年法律第五十二号)第二条第三項第二十一号、 第八条第二項第一号八、第三十三条第三項、第三十九条第一項及び第四十条第一項、同項において準 用する信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二十三条第二項及び第二十九条第二項第一号、事 業性融資の推進等に関する法律第四十四条第五項、第五十五条第一項第二号、第四号二及び第八号並 びに第五十七条、同条において準用する信託業法第八十五条の六、第八十五条の十七及び第八十五条 の二十三第三項、事業性融資の推進等に関する法律第二百二十三条、同条において準用する不動産登 記法(平成十六年法律第百二十三号)第十八条(同法第十六条第二項において準用する場合を含む。)、 第二十二条、第二十五条第十三号(同法第十六条第二項において準用する場合を含む。)及び第二十六 条(同法第十六条第二項において準用する場合を含む。)、事業性融資の推進等に関する法律第二百四 十八条及び第二百五十一条並びに附則第二十六条第一項並びに同項において準用する不動産登記法附 則第六条第三項の規定により読み替えて適用される事業性融資の推進等に関する法律第二百二十三条 において読み替えて準用する不動産登記法第二十二条ただし書の規定に基づき、並びに事業性融資の 推進等に関する法律を実施するため、この政令を制定する。 以下略