告示の概要
大学設置基準、専門職大学院設置基準、大学院設置基準、及び学校教育法施行規則の一部を改正する省令。主な改正内容は、学部と大学院における教育の連続性に配慮した「連続課程」の編成に関する規定の新設・変更、特に大学院設置基準における「学部との連続性に配慮した教育課程に関する特例」の章の新設、および専門職大学院設置基準における同様の特例の新設。これにより、大学が教育上の目的達成のため、学部と大学院の研究科における教育の連続性に配慮した教育課程を編成できるようになる。また、連続課程特例認定大学の認定制度が導入され、認定を受けた大学の修士課程等の標準修業年限や在学期間の短縮が特例として認められる。
解決される課題・利点
- 本省令の改正は、日本の高等教育システムにおいて長年の課題であった大学と大学院の接続性の欠如を解消し、学生の学習効率とキャリアパスの多様化を促進することを目的としています。
- 従来の制度では、学部課程と大学院課程が独立して設計されることが多く、両者の間で学習内容の重複や空白が生じやすいという問題がありました。
- これにより、学生は学部卒業後に大学院に進学する際にスムーズな移行が困難であり、学習意欲の減退や余分な学習期間を要するケースが見られました。
- 連続課程制度の導入により、学部と大学院が連携して一貫した教育課程を編成することで、これらの非効率性を解消します。
- 学生は学部から大学院へと連続的に学習を進めることが可能になり、専門分野への深い理解を短期間で獲得できるようになります。
懸念点・リスク
- 本省令の改正は多くの利点を持つ一方で、いくつかの懸念点も内包しています。
- まず、連続課程の導入と特例認定制度が、実質的な教育の質を伴わない形骸化を招く可能性があります。
- 特に、標準修業年限の短縮が目的化し、十分な学習期間や深度が確保されないまま学生を早期に修了させる動きが強まる恐れがあります。
- 大学側は認定を得るために、教育課程の「連続性」を形式的に整える一方で、内容の充実がおろそかになる可能性があります。
- 次に、認定審査の厳格性とその運用に関する問題です。
法令情報
- 法令番号
- 文部科学省令第五号
- 公布日
- 2026/02/24
- 掲載
- 号外37 2P~6P
原文
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第三条及び第百四十二条の規定に基づき、大学設置基 準等の一部を改正する省令を次のように定める。 令和八年二月二十四日 文部科学大臣 松本洋平 大学設置基準等の一部を改正する省令 (大学設置基準の一部改正) 第一条 大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正後欄に掲げるその標記部分(連続する他の規定と記号により一括して掲げる 規定にあっては、その標記部分に係る記載)に二重傍線を付した規定(以下「対象規定」という。) で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを加える。 (教育課程の編成方針) 第十九条 [略] 2.3 [略] 4 大学は、その学部の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、当該学部における教育及び大学院の研究科における教育の連続性に配慮した教育課程を編成するものとする。 備考表中の [ ] の記載及び対象規定の二重傍線を付した標記部分を除く全体に付した傍 線は注記である。 (専門職大学院設置基準の一部改正) 第二条 専門職大学院設置基準(平成二十九年文部科学省令第三十三号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないもの は、これを加える。 (教育課程の編成方針) 第九条 [略] 2~4 [略] 5 専門職大学は、その学部の教育上の目的を達成するために必要があると認められる場合には、当該学部における教育及び大学院の研究科における教育の連続性に配慮した教育課程を編成するものとする。 備考表中の [ ] の記載及び対象規定の二重傍線を付した標記部分を除く全体に付した傍 線は注記である。 (大学院設置基準の一部改正) 第三条 大学院設置基準(昭和四十九年文部省令第二十八号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線を付し又は破線で囲んだ部分をこれに順次対応する 改正後欄に掲げる規定の傍線を付し又は破線で囲んだ部分のように改め、改正前欄及び改正後欄に 対応して掲げる対象規定は、改正前欄に掲げる対象規定を改正後欄に掲げる対象規定として移動し、 改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを加える。 [以下略]