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金融 › 資金決済
2025/07/23 (号外168)
前払式支払手段に関する内閣府令及び資金移動業者に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令
告示の概要
前払式支払手段に関する内閣府令および資金移動業者に関する内閣府令が改正される。発行保証金保全契約および履行保証金保全契約を締結する際の健全性基準として、業務および財産の状況に関する説明書類における「保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」の要件が、改正前「二百パーセント以上」から「百パーセント以上」に緩和される。本改正は令和8年3月31日から施行される。
解決される課題・利点
- 本改正は、前払式支払手段発行者および資金移動業者に対する健全性基準の一つである「保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」の要件を「二百パーセント以上」から「百パーセント以上」に緩和することで、これらの事業者の資金調達や事業展開における過度な制約を解消し、業界全体の活性化を促すという課題を解決します。
- これまでの高い比率要件は、新規参入や既存事業者の成長を阻害する要因となっており、特にFinTech分野のイノベーションを抑制する側面がありました。
- 要件緩和により、事業者はより柔軟に資金を活用できるようになり、新サービスの開発や提供、既存サービスの拡充に繋がるでしょう。
- これは、利用者にとっても利便性の高い決済手段の選択肢が増えるというメリットをもたらし、デジタル経済の発展に貢献することが期待されます。
- また、適切なリスク管理体制を維持しつつ、事業者が持続可能な成長を遂げるための環境整備が進むことで、決済システムの多様性と強靭性の向上が図られます。
懸念点・リスク
- 「保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」の要件緩和は、事業者の負担を軽減し、業界の活性化を促す一方で、いくつかの懸念点を内包しています。
- 最も大きな懸念は、利用者保護のレベルが低下する可能性です。
- 要件が「二百パーセント以上」から「百パーセント以上」に緩和されることで、予期せぬ経営悪化や大規模なシステム障害が発生した場合に、事業者が利用者の資金を全額保全・返還できる能力が相対的に低下するリスクがあります。
- 特に、前払式支払手段や資金移動サービスは少額決済に広く利用されており、利用者が一度に失う金額は小さくても、多数の利用者が影響を受けることで社会的な信用問題に発展する可能性があります。
- また、要件緩和によって新規参入が増加した場合、必ずしもすべての事業者が堅実な経営を行うとは限りません。
法令情報
- 法令番号
- 内閣府令第七十二号
- 公布日
- 2025/07/23
- 掲載
- 号外168 53P
原文
資金決済に関する法律施行令(平成二十二年政令第十九号)第八条第二項第一号及び第十六条第二項第一号の規定に基づき、前払式支払手段に関する内閣府令及び資金移動業者に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令を次のように定める。 令和七年七月二十三日 前払式支払手段に関する内閣府令及び資金移動業者に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令 (前払式支払手段に関する内閣府令の一部改正) 第一条 前払式支払手段に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第三号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線を付した部分をこれに対応する改正後欄に掲げる規定の傍線を付した部分のように改める。 改正後 (発行保証金保全契約を締結することができる銀行等以外の者が満たすべき要件等) 第三十二条 令第八条第二項第一号に規定する内閣府令で定める健全な保険金等の支払能力の充 実の状況にある旨の区分は、最終の業務及び財産の状況に関する説明書類における保険金等の 支払能力の充実の状況を示す比率が百パーセント以上であることとする。 [2.3 略] (資金移動業者に関する内閣府令の一部改正) 第二条 資金移動業者に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第四号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線を付した部分をこれに対応する改正後欄に掲げる規定の傍線を付した部分のように改める。 改正後 (履行保証金保全契約を締結することができる銀行等以外の者が満たすべき要件等) 第十六条 令第十六条第二項第一号に規定する内閣府令で定める健全な保険金等の支払能力の充 実の状況にある旨の区分は、最終の業務及び財産の状況に関する説明書類における保険金等の 支払能力の充実の状況を示す比率が百パーセント以上であることとする。 [2.3 同上] 附則 この府令は、令和八年三月三十一日から施行する。