告示の概要
保険業法施行規則が一部改正される。保険業法第130条等に基づき、保険会社の資産評価、健全性基準、業務報告書、責任準備金等の計算方法、および関連する指標に関する規定が見直される。特に、ソルベンシー・マージン規制に関連する資産の評価基準、リスク計算、報告書様式などに変更が加えられ、保険会社の財務の健全性をより適切に評価し、監督するための枠組みが強化される。
解決される課題・利点
- 本改正は、保険会社の財務健全性評価と監督の精度向上という重要な課題を解決することを目的としています。
- 従来の規制では捉えきれなかった潜在的なリスクや、経済環境の変化に即した適切な評価が困難であった点が指摘されていました。
- この改正により、保険金等の支払能力の充実の状況をより厳格かつ実態に即して評価するための基準が導入されます。
- 例えば、資産評価において時価評価の適用範囲を明確化し、市場リスクや信用リスクなど、リスクの種類に応じた計算方法を詳細に規定することで、保険会社が抱えるリスクをより正確に把握できるようになります。
- また、ソルベンシー・マージン規制の計算ロジックが精緻化されることで、保険会社が予期せぬ損失に耐えうる資本水準を維持しているかを客観的に評価する指標が強化されます。
懸念点・リスク
- この改正は保険会社の健全性強化を目指す一方で、いくつかの懸念点も内包しています。
- まず、新たな評価基準や計算方法の導入は、保険会社にとってシステム改修やデータ収集体制の再構築といった大きな負担を伴う可能性があります。
- 特に中小規模の保険会社では、これらの対応コストが経営を圧迫し、競争力の低下につながる恐れがあります。
- また、時価評価の拡大は、市場の変動が直接的に財務指標に反映されやすくなるため、短期的な市場のボラティリティが過度に資本水準に影響を与え、経営判断を歪める可能性も指摘されます。
- 例えば、一時的な市場の混乱がソルベンシー・マージン比率を急激に低下させ、健全であるにもかかわらず早期是正措置の対象となるリスクも考えられます。
法令情報
- 法令番号
- 内閣府令第七十一号
- 公布日
- 2025/07/23
- 掲載
- 号外168 2P~52P
原文
保険業法(平成七年法律第百五号)第百十条第三項(同法第百九十九条及び第二百七十二条の十六第三項において準用する場合を含む。)、第百十一条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)及び第二項、第百十五条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百十六条第三項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百二十条第一項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百二十一条第一項及び同項第三号(これらの規定を同法第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百二十七条第一項第八号、第百三十条第一号及び第二号(これらの規定を同法第二百七十二条の二十八において準用する場合を含む。)、第二百二条第一号及び第二号、第二百九条第九号、第二百二十八条第一号及び第二号、第二百三十四条第八号、第二百七十一条の二十四第二項、第二百七十一条の二十五第一項、第二百七十一条の二十八の二第一号及び第二号並びに第二百七十一条の三十二第二項第八号の規定に基づき、保険業法施行規則の一部を改正する内閣府令を次のように定める。 令和七年七月二十三日 保険業法施行規則の一部を改正する内閣府令 保険業法施行規則(平成八年大蔵省令第五号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線を付し又は破線で囲んだ部分をこれに順次対応する改正後欄に掲げる規定の傍線を付し又は破線で囲んだ部分のように改め、改正前欄及び改正後欄に対応して掲げるその標記部分(連続する他の規定と記号により一括して掲げる規定にあっては、その標記部分に係る記載)に二重傍線を付した規定(以下「対象規定」という。)は、その標記部分が同一のものは当該対象規定を改正後欄に掲げるもののように改め、その標記部分が異なるものは改正前欄に掲げる対象規定を改正後欄に掲げる対象規定として移動し、改正前欄に掲げる対象規定で改正後欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを削り、改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを加える。 (資産の評価) 第二十四条の三 [略] [2~5略] 6 次に掲げる資産については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すこ とができる。 [略] 二市場価格のある資産(実質子会社及び関連会社の株式並びに満期保有目的の債券(満期ま で所有する意図をもって保有する債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限 る。)をいう。)を除く。) 以下略