中重要度
省令
医療 › 公衆衛生
2025/11/13 (号外250)
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令
告示の概要
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則」の一部を改正するもので、令和8年4月6日から施行される。主な改正点は、新たに「多剤耐性緑膿菌感染症」を感染症法上の五類感染症に追加することである。これにより、医療機関は、同感染症の患者を診断した場合に、その発生状況を届け出る義務を負う。また、五類感染症の届出を担当する指定届出機関の指定基準も一部改正され、クラミジア肺炎や細菌性髄膜炎などに関する届出基準として、患者を300人以上収容する内科・外科を含む病院が指定される。経過措置として、施行日以降に診断された多剤耐性緑膿菌感染症の患者について新たな届出義務が適用され、施行日以前に診断された薬剤耐性緑膿菌感染症については従前の例による。
解決される課題・利点
- 「多剤耐性緑膿菌感染症」を五類感染症に追加することで、国内におけるこの薬剤耐性菌の感染状況を正確に把握し、公衆衛生上のリスク管理を強化する。
- 薬剤耐性菌は現代医療における重大な脅威であり、その蔓延を防ぐためには早期の発見と適切な対応が不可欠である。
- 今回の追加により、医療機関から届出義務が課されることで、感染症サーベイランス体制が強化され、感染経路の特定やクラスター発生時の迅速な介入が可能となる。
- また、指定届出機関の基準明確化は、医療機関が適切な体制で感染症情報を報告することを促し、データ収集の質の向上に寄与する。
- これにより、国や地方自治体はより正確な疫学情報に基づき、効果的な感染症対策を立案・実施できるようになり、国民の健康と安全を守るための公衆衛生システムの強化に貢献することが期待される。
懸念点・リスク
- 「多剤耐性緑膿菌感染症」を五類感染症に追加することに伴い、医療機関には新たな届出義務が発生し、その事務負担が増加する可能性がある。
- 特に、多剤耐性菌の診断は複雑であり、適切な診断と報告には医療従事者の知識と時間が必要となる。
- また、新たに届出対象となる感染症の周知徹底が不十分な場合、報告漏れや報告遅延が生じる恐れがある。
- 経過措置として、施行日前後の診断で対応が分かれるため、現場での混乱を招かないよう、明確なガイダンスが必要となる。
- 指定届出機関の指定基準についても、特定の規模や診療科を持つ病院に限定されているため、小規模病院や特定の専門病院での届出体制が十分でない場合、情報の偏りや漏れが生じる可能性がある。
法令情報
- 法令番号
- ○厚生労働省令第百十二号
- 公布日
- 2025/11/13
- 掲載
- 号外250 15P~16P
原文
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第六項第九号、第十二条第一項第二号並びに第十四条第一項及び第二項の規定に基づき、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令を次のように定める。 令和七年十一月十三日 厚生労働大臣 上野賢一郎 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則(平成十年厚生省令第九十九号)の一部を次の表のように改正する。 (傍線部分は改正部分) 第一条 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「法」という。)第六条第六項第九号に規定する厚生労働省令で定める感染性の疾病は、次に掲げるものとする。 一~三十七 (略) 三十八多剤耐性緑膿菌感染症 三十九~四十一 (略) 第四条 (略) 2~4 (略) 5 法第十二条第一項第二号に規定する厚生労働省令で定める五類感染症(法第十二条第一項の規定により、当該感染症の患者について届け出なければならないものに限る。)は、次に掲げるものとする。 一~十四 (略) 十五 多剤耐性緑膿菌感染症 十六~二十二 (略) 六 (略) (指定届出機関の指定の基準) 第六条 法第十四条第一項に規定する厚生労働省令で定める五類感染症は、次の表の各項の上欄に掲げるものとし、同項の規定による五類感染症の発生の状況の届出を担当させる指定届出機関の指定は、地域における感染症に係る医療を提供する体制、保健所の設置の状況、人口等の社会的条件、地理的条件等の自然的条件その他の地域の実情を勘案して同欄に掲げる五類感染症の区分(以下この条並びに次条第一項及び第三項において「五類感染症指定区分」という。)に応じ、原則として当該各項の下欄に定める病院又は診療所のうち当該五類感染症指定区分の感染症に係る指定届出機関として適当と認めるものについて行うものとする。 一~四 (略) 五 クラミジア肺炎(オウム病を除く。)、細菌性髄膜炎、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 患者を三百人以上収容する施設を有する病院であって、その診療科名中に内科及び外科を含むもの 六 (略) 附則 (施行期日) 第一条 この省令は、令和八年四月六日から施行する。 (経過措置) 第二条 この省令による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則第四条第五項に規定する多剤耐性緑膿菌感染症の患者に係る感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第十二条第一項の規定による届出は、この省令の施行の日(以下この項において「施行日」という。)以降に診断された当該感染症の患者について行うものとし、施行日の前日以前に診断されたこの省令による改正前の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則第六条第一項の表の五の項の上欄に規定する薬剤耐性緑膿菌感染症の患者については、なお従前の例による。