告示の概要
電気関係報告規則第一条第二項第六号に基づき、主要電気工作物を構成する設備を定める告示(平成28年経済産業省告示第238号)が改正される。今回の改正では、水力発電所、火力発電所、燃料電池発電所、太陽電池発電所、風力発電所、蓄電所の主要設備に「電力貯蔵装置」が追加または定義変更される。特に「容量が二十キロワットアワーを超えるものに限り、専ら非常用のものを除く」といった条件で電力貯蔵装置が主要電気工作物の対象となる。施行期日は令和7年11月20日。
解決される課題・利点
- 電力システムにおける電力貯蔵装置の役割拡大に即応し、その安全性確保と適切な規制の枠組みを構築する上で極めて重要です。
- 再生可能エネルギーの大量導入に伴い、電力系統の安定化や需給バランス調整に不可欠となった電力貯蔵装置を「主要電気工作物」として明確に位置づけることで、これらの設備の設計、設置、運用、保守に関する安全基準がより厳格に適用されるようになります。
- これにより、事故発生リスクの低減と、万が一の事故発生時における迅速な対応体制の確立が促進され、電力供給の信頼性と安定性が向上します。
- また、電力貯蔵装置の普及が進む中で、その安全管理に関する法的根拠が強化されることは、新たな技術の導入を躊躇する事業者にとっての不確実性を減らし、安心・安全な電力システムの構築を支援するという重要な課題を解決します。
懸念点・リスク
- 本告示の改正は、電力貯蔵装置の安全管理強化に貢献する一方で、具体的な運用面での課題や潜在的なコスト増大の懸念を内包しています。
- 特に、主要電気工作物としての指定に伴い、電力貯蔵装置の設計や設置、運用において新たな技術基準や規制が適用される可能性があり、これが既存設備の改修コストや新規導入の障壁となる恐れがあります。
- また、「容量が二十キロワットアワーを超えるものに限り、専ら非常用のものを除く」といった条件は、対象範囲を明確にする一方で、この閾値付近の設備や非常用と一般用の区別が曖昧な設備において、解釈や運用に混乱が生じる可能性も考えられます。
- さらに、電力貯蔵装置は技術開発が急速に進展しており、多様なタイプや規模の設備が存在するため、一律の規制が全ての設備に最適であるとは限りません。
- 技術の進化に対応した柔軟な規制の更新が継続的に求められることとなり、規制が技術革新のスピードに追いつかない、あるいは過度に厳格な規制が導入を阻害するといった問題が生じる懸念があります。
法令情報
- 法令番号
- 経済産業省告示第百七十一号
- 公布日
- 2025/11/20
- 掲載
- 号外255 17P~18P
原文
電気関係報告規則(昭和四十年通商産業省令第五十四号)第一条第二項第六号の規定に基づき、主要電気工作物を構成する設備を定める告示(平成二十八年経済産業省告示第二百三十八号)の一部を次 の表のように改正し、令和七年十一月二十日から施行する。 改 正 後 一 水力発電所 主要電気工作物 (略) 電力貯蔵装置(容量が二十キロワットア ワーを超えるものに限り、専ら非常用のも のを除く。以下次号から第七号まで及び第 九号において同じ。) 二火力発電所 主要電気工作物 (略) 電力貯蔵装置 三燃料電池発電所 主要電気工作物 (略) 電力貯蔵装置 四太陽電池発電所 主要電気工作物 (略) 電力貯蔵装置 の 主設備 (略) (新設) 主設備 (略) (新設) 主設備 (略) (新設) 主設備 (略) (新設) 改 正 前 一 水力発電所 主要電気工作物 (略) (新設) 二火力発電所 主要電気工作物 (略) (新設) 三燃料電池発電所 主要電気工作物 (略) (新設) 四太陽電池発電所 主要電気工作物 (略) (新設) の 主設備 主設備 主設備 主設備 電力貯蔵装置 第三号の燃料電池発電所の主設備の欄に掲げるもの 第一号の水力発電所の主設備の欄に掲げるも ...以下略