告示の概要
食品衛生法施行規則が改正され、簡易な飲食店営業及び自動車による調理販売、並びに従業者が常駐しない全自動調理機による食品販売に関する衛生基準が具体化される。簡易な飲食店営業では全自動調理機を用いた場合を除き基準を適用し、自動車による調理販売では特定基準の適用が免除される。また、全自動調理機による販売においては、監視設備、異常時停止機能、温度・調理工程監視、汚染防止構造、時間経過による提供停止機能、事業者連絡先掲示といった新たな衛生管理要件が追加される。施行期日は令和8年4月1日。
解決される課題・利点
- 本改正は、現代の多様化する飲食提供形態、特に簡易な営業や全自動調理機を活用した新たなビジネスモデルに対応するための食品衛生基準の明確化と強化を図るものです。
- これにより、従来の規制体系では十分にカバーしきれなかった分野における食品安全性の確保という課題が解決されます。
- 例えば、人手不足の解消や非接触型サービスの需要増を背景に普及が進む全自動調理機を用いた食品提供において、衛生管理の責任の所在や具体的な実施方法が曖昧であった点を解消し、食品による健康被害のリスクを低減することが期待されます。
- また、自動車による移動販売における規制緩和は、地域経済の活性化や消費者への利便性向上に貢献しつつ、最低限の衛生基準を維持することで、食の安全と事業活動のバランスを取るという課題解決に繋がります。
- これにより、消費者は安心して多様な形態の食品サービスを利用できるようになり、事業者は法的に明確なガイドラインの下で事業を展開できるようになります。
懸念点・リスク
- 本改正により、全自動調理機を利用した食品提供に関する新たな衛生基準が導入される一方で、その具体的な運用や実効性には懸念点も内包されています。
- 例えば、「監視設備」や「異常時停止機能」の導入義務は、初期投資や維持管理コストの増加を招き、特に中小規模の事業者にとっては参入障壁や事業継続の負担となり得ます。
- また、全自動調理機の性能や機能のばらつきが大きい中で、一律の基準を適用することが適切か、個々の機器の特性に応じた柔軟な運用が求められる場面で硬直的な運用にならないかといった懸念があります。
- さらに、監視設備による「全体の衛生状況の確認」が、どれほどの頻度、深さで行われるべきか、また異常発生時の事業者への連絡体制が実質的に機能するかどうかは、運用者側の意識や体制に大きく依存します。
- 経過措置として都道府県が基準を定めることができるとされていますが、地域間で基準の解釈や運用に差異が生じ、事業者間の不公平感や混乱を招く可能性も考えられます。
法令情報
- 法令番号
- 厚生労働省令第七十二号
- 公布日
- 2025/07/02
- 掲載
- 本紙1498 1P~2P
原文
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十四条(同法第六十八条第一項及び第三項に おいて準用する場合を含む。)の規定に基づき、食品衛生法施行規則の一部を改正する省令を次のよう に定める。 令和七年七月二日 食品衛生法施行規則の一部を改正する省令 厚生労働大臣 福岡 資麿 食品衛生法施行規則(昭和二十三年厚生省令第二十三号)の一部を次の表のように改正する。 別表第十九(第六十六条の七関係) 一~四 (略) 五 その他 イ (略) ロ令第三十五条第一号に規定する飲食店 営業のうち、簡易な営業(そのままの状 態で飲食に供することのできる食品を食 器に盛る、そうざいの半製品を加熱する 等の簡易な調理のみをする営業をいい、 喫茶店営業(喫茶店、サロンその他設備 を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に 飲食させる営業をいう。)を含む。ただし、 従業者が常駐せず全自動調理機(自動的 に食品を調理し、調理された食品を提供 する機能を有する調理器具であつて、令 第三十四条の二第二号の調理の機能を有 する自動販売機と同等以上の材質、構造、 機能等を有するものをいう。以下同じ。) により調理された食品を販売する営業を 除く。別表第二十第一号イ11)において同 じ。)をする場合にあつては、イの規定に よるほか、次に定める基準により営業を することができる。 11~4 (略) 八令第三十五条第一号に規定する飲食店 営業のうち、自動車において調理をする 場合(従業者が常駐せず全自動調理機に より調理された食品を販売する場合を除 く。別表第二十第一号イにおいて同じ。) にあつては、第三号二、リ、ヲ及びタの 基準を適用しない。 イ業 미 二令第三十五条第一号に規定する飲食店 営業のうち、従業者が常駐せず全自動調 理機により調理された食品を販売する場 合にあつては、第三号チ、リ、ヲ、ワ、 タ及びレ並びに前号トの基準を適用しな い。 ホ~ト(略) 別表第二十(第六十六条の七関係) 一令第三十五条第一号に規定する飲食店営 業 自動車において調理をする場合にあつ ては、次に掲げる要件を満たすこと。 1~3 (略) 二~三十 (略) 従業者が常駐せず、全自動調理機によ り調理された食品を販売する場合にあつ ては、次に掲げる要件を満たすこと。 施設(全自動調理機を含む。)及び 6において同じ。)の全体の衛生状況を 確認するための監視設備を有するこ と。 施設に異常が生じた場合に、当該施 設の営業者が全自動調理機を停止する ことができる機能を有すること。 全自動調理機が、原材料の温度、調 理の工程等の状況を監視し、異常が生 じた場合に自動的に停止する機能を有 すること。 全自動調理機が、外部からの汚染等 を防止する構造を持つ、調理後の食品 に係る保管設備を有すること。 5 全自動調理機が、調理後の食品につ いて、一定の時間を経過した場合には、 当該食品を提供しない機能を有するこ と。 施設に異常が生じた場合に当該施設 の営業者と連絡ができるよう、当該営 業者の連絡先の掲示を行うこと。 附則 (施行期日) この省令は、令和八年四月一日から施行する。 (経過措置) 2 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十四条の規定により基準を定める都道府県 は、この省令の施行の日前においても、この省令による改正後の別表第十九及び別表第二十の基準 を参酌して、条例で、公衆衛生の見地から必要な基準を定めることができる。