高重要度
法規的告示
エネルギー › ガス
2025/07/14 (号外161)
エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する基本方針等の一部を改正する告示
告示の概要
この告示は、「エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」に基づき、関連する基本方針と判断の基準を改正するものである。主な変更点は、以下の通り。 1. **基本方針**: 従来のバイオガスに加え、合成メタン(水素や一酸化炭素から合成)の導入・利用促進を明記し、ガス小売供給量の1%相当量の合成メタンまたはバイオガスを調達して導管に注入する目標を令和12年度に設定。国は技術開発支援や事業環境整備を行う方針。 2. **ガス事業者の判断の基準**: 従来のバイオガス利用目標(平成30年度に80%以上)から、合成メタンまたはバイオガスの調達・導管注入目標(令和12年度にガス小売供給量の1%相当量、効率的な経営の下で5%相当量以下)に変更。ガス事業者は調達調査、技術開発、地域連携に取り組む義務が明記される。 3. **化石エネルギー原料の有効利用判断基準**: ボイル・オフ・ガス(BOG)の利用率100%達成目標を令和12年度に維持。
解決される課題・利点
- 本告示の改正は、日本のエネルギー政策における脱炭素化の取り組みを具体的に強化し、特にガス事業部門における再生可能エネルギーおよび低炭素ガスの導入を加速させる。
- 従来のバイオガスに加え、合成メタンの目標を明確にすることで、多様な低炭素ガス源の活用を促進し、エネルギー供給の多角化と安定化に寄与する。
- ガス小売事業者に具体的な調達目標を課すことで、脱炭素化への具体的な行動を促し、関連技術開発やインフラ整備への投資を加速させるインセンティブを提供する。
- また、国が技術開発支援や事業環境整備を行う方針を明記することで、民間企業の取り組みを後押しし、経済的合理性を保ちつつ脱炭素化を進めるための枠組みを強化する。
- ボイル・オフ・ガス利用目標の維持は、既存の化石燃料由来の排出削減努力も継続させ、全体としてバランスの取れた環境適合型のエネルギー供給体制への移行を推進する。
懸念点・リスク
- 本告示の改正には、いくつかの懸念点と内包する問題点が存在する。
- 第一に、合成メタンの導入目標(ガス小売供給量の1%)と、効率的な経営の下での調達・導管注入目標(5%以下)のバランスである。
- この目標値が、現実的な供給能力やコスト、技術開発の進捗状況と乖離する場合、事業者に過度な負担を強いる可能性がある。
- 特に、合成メタンの製造コストは現状では高価であり、その導入がガス料金に転嫁され、消費者負担が増大する懸念がある。
- 第二に、調達調査、技術開発、地域連携といったガス事業者の義務は、具体的な成果を伴うまでには時間と多大な投資が必要となる。
法令情報
- 法令番号
- 経済産業省告示第百十一号
- 公布日
- 2025/07/14
- 掲載
- 号外161 62P~64P
原文
経済産業省告示第百十一号 エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(平成二十一年法律第七十二号)第三条第四項、第五条第一項及び第十一条第一項の規定に基づき、エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する基本方針等の一部を改正する告示を次のように定める。 令和七年七月十四日 経済産業大臣 武藤容治 エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する基本方針等の一部を改正する告示 (エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する基本方針の一部改正) 第一条 エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する基本方針(平成二十八年経済産業省告示第百十一号)の一部を次の表のように改正する。 [以下、改正前後の条文対照表] (エネルギー源の環境適合利用に関するガス事業者の判断の基準の一部改正) 第二条 エネルギー源の環境適合利用に関するガス事業者の判断の基準(平成二十九年経済産業省告示第五十九号)の一部を次の表のように改正する。 [以下、改正前後の条文対照表] (化石エネルギー原料の有効な利用に関するガス事業者の判断の基準の一部改正) 第三条 化石エネルギー原料の有効な利用に関するガス事業者の判断の基準(平成二十九年経済産業省告示第六十号)の一部を次の表のように改正する。 [以下、改正前後の条文対照表] 附則 この告示は、令和七年七月十五日から施行する。 以下略