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高重要度 省令 医療 › 公衆衛生
2025/07/03 (本紙1499)

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第十五項に規定する指定薬物及び同法第七十六条の四に規定する医療等の用途を定める省令の一部を改正する省令

告示の概要

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき、新たに指定薬物を追加する。具体的には、従来の指定薬物リストから「七ーアリル―N・N―ジエチルー四―(チオフェン―ニーカルボニル)四・六・六a・七・八・九―ヘキサヒドロインドロ[四・三―fg]キノリンー九ーカルボキサミド及びその塩類」及び「二―(四―エトキシベンジル)一ー(エチルアミノ)エチルー五―ニトロベンズイミダゾール及びその塩類」を削除し、代わりに「ニーシクロヘキシルアミノー一―(三・四―メチレンジオキシフェニル)プロパンー一―オン及びその塩類」を新規に追加する。これに伴い、指定薬物の項目番号を再整理する。本省令は公布から10日後に施行される。

解決される課題・利点

  • この省令改正は、危険ドラッグとして乱用される可能性のある新規化学物質を「指定薬物」として規制対象に加えることで、公衆衛生上のリスクを低減することを目的としている。
  • 近年、医薬品の範疇を超えて製造・流通する薬物(いわゆる危険ドラッグ)は、既存の法律では規制が追いつかず、健康被害や社会問題を引き起こしてきた。
  • 特に、化学構造が既存薬物と類似しながらも微細な変更が加えられた「合法ドラッグ」が出回ることで、取り締まりが困難になるという課題があった。
  • 本改正により、新たに指定された化学物質の製造、輸入、販売、所持、使用等が規制されることで、これらの物質が市場に出回ることを阻止し、若年層を中心とした乱用による健康被害(意識障害、急性中毒、精神症状など)や死亡事故の発生を未然に防ぐことが期待される。
  • また、指定薬物に関する法規制の隙間を埋めることで、違法薬物の供給経路を断ち、社会の安全と秩序の維持に貢献する。

懸念点・リスク

  • この省令改正には、規制強化に伴ういくつかの懸念点や内包する問題点が存在する。
  • まず、指定薬物リストへの新規追加は、常に新たな規制対象外の物質(代替物質)を生み出す「いたちごっこ」を招く可能性がある。
  • 巧妙な化学構造の変更や新規合成により、法の網の目をかいくぐる薬物が次々と登場し、現行の法規制が追いつかなくなる事態が継続的に発生する懸念がある。
  • これにより、薬物乱用問題の根本的な解決には至らず、むしろ新たな「合法」ドラッグの供給を促してしまうリスクも孕む。
  • 次に、指定薬物の情報が公開されることで、それがかえって新たな薬物開発や流通のヒントを与えてしまう可能性も否定できない。

法令情報

法令番号
厚生労働省令第七十三号
公布日
2025/07/03
掲載
本紙1499 2P~2P
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