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高重要度 法規的告示 産業 › 中小企業支援
2025/11/19 (号外254)

小規模事業者の経営の改善発達を支援するための商工会及び商工会連合会並びに商工会議所及び日本商工会議所に対する基本指針

告示の概要

小規模事業者の経営改善発達を支援するための商工会及び商工会連合会並びに商工会議所及び日本商工会議所に対する基本指針が策定された。本指針は、小規模企業振興基本計画(第Ⅲ期)に基づき、小規模事業者の「稼ぐ力」を高め、デジタル技術活用を含む経営リテラシーの向上、事業継続力強化を促す支援の必要性を明記している。 主な内容は以下の通り: - **経営改善普及事業**: 金融、税務、労務、技術改善、事業継続力強化、起業・創業、経営革新、事業承継・廃止、各種制度活用に関する指導、情報収集・提供。 - **経営改善普及事業の実施留意点**: 関係機関との連携による支援体制構築、専門指導体制の整備、経営状況把握・分析、ナレッジ蓄積・共有、情報発信強化、広域連携。 - **事業継続力強化支援事業**: 地域防災計画等との連携による事業継続力強化計画(BCP等)の策定・見直し指導、ハザードマップ等の情報提供、損害保険加入等の普及啓発、広域指導員による支援体制構築、事業実施状況の評価。 - **経営管理指導**: 金融・会計・税務の基礎知識習得支援、電子帳簿等デジタルツール活用による自律的経営管理の推進、経営者のリテラシー向上、省力化・デジタル化投資による業務効率化支援。 - **経営発達支援事業**: 経営資源・地域資源活用、需要調査・分析、事業計画策定・見直し指導、ブランド形成・マーケティング支援、SNS等広報手法の教授。広域指導員による支援体制構築、事業実施状況の評価。 - **商工会連合会等の指導事業**: 傘下団体への指導、広域経営指導員の活用、指導ニーズへの対応。 - **その他重要事項**: 職員の資質向上、事業の公平性、国・地方公共団体・関係機関との連携、商工会法・商工会議所法との関係。 施行期日は令和7年11月20日。

解決される課題・利点

  • この基本指針は、小規模事業者が直面する多様な経営課題(賃上げ、人手不足、後継者不足、デジタル化の遅れ、自然災害リスク等)に対し、商工会等がより効果的かつ包括的な支援を提供するための指針を明確化する。
  • 経営指導員の専門性強化、広域連携体制の構築、デジタル技術の活用促進により、小規模事業者の「稼ぐ力」の向上と事業継続力の強化を図り、持続可能な経営基盤の確立を支援する。
  • 特に、経営リテラシー向上支援やBCP策定支援は、事前防災・減災対策と合わせて、災害発生時の事業再開能力を高める点で極めて重要である。
  • また、地域経済の活性化やサプライチェーンの維持を意識した目標設定は、地域全体の持続可能な発展に貢献し、政府が掲げる「デジタル・ガバメント」や「地域創生」といった政策目標の実現にも寄与する。
  • これは、小規模事業者が自社の強みを活かし、変化の激しい経済環境に適応するための重要な道筋を示すものである。

懸念点・リスク

  • 多岐にわたる支援内容と留意点が示されているものの、これらを全ての商工会・商工会議所が均一な品質で実施できるかには疑問が残る。
  • 特に、経営指導員の人材確保・育成は継続的な課題であり、専門性を持つ広域指導員の配置は地方によっては困難な場合も想定される。
  • デジタルツールの活用推進は、ITリテラシーの低い小規模事業者にとっては新たな負担となり、かえってデジタルデバイドを拡大させる懸念も存在する。
  • また、事業継続力強化支援計画や経営発達支援計画の策定・運用には、行政機関、商工会等、事業者間の連携が不可欠だが、連携体制が十分に機能しない場合、情報共有の遅延や支援の重複・漏れが発生するリスクも内包している。
  • さらに、成果目標の定量化や評価の仕組みが示されているものの、実効性のある評価がなされなければ、形骸化する恐れもある。

法令情報

法令番号
経済産業省告示第百六十九号
公布日
2025/11/19
掲載
号外254 38P-41P
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