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2025/08/22 (号外190)

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令

告示の概要

金融商品取引法に基づき、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則の一部を改正する省令。主な改正点は、リースに関する注記および金融商品に関する注記の見直しで、特に、リース会計における「借手」の定義を「企業」から「者」に変更し、セール・アンド・リースバック取引における貸手の定義も同様に変更された。また、組合等への出資に関する注記において、市場価格のない株式等の時価評価に基づく会計処理を行っている場合の開示要件が追加された。連結財務諸表規則も同様の改正が行われている。

解決される課題・利点

  • この省令改正は、企業会計におけるリース取引及び金融商品の開示に関する明確性と透明性を向上させることを目的としています。
  • 特に、リース会計基準における「借手」の定義を「企業」から「者」へと拡大することで、個人事業主やその他の法人格を持たない「者」が借手となるリース取引についても、これまで不明確であった開示の要否が明確化され、適用範囲が広がることで、より実態に即した財務情報提供が可能になります。
  • これにより、投資家やその他のステークホルダーは、企業のリース関連の債務や権利義務をより正確に把握できるようになり、意思決定の信頼性が向上します。
  • また、セール・アンド・リースバック取引における貸手の定義変更も、取引の実態を適切に反映した開示を促し、会計処理の一貫性を確保します。
  • 組合等への出資に関する注記の追加により、市場価格のない株式を含む出資についても時価評価に基づく会計処理の実態が開示されるため、非公開株式などの評価が難しい資産に対する投資状況の透明性が向上し、投資家はより詳細な情報を得てリスク評価を行えるようになります。

懸念点・リスク

  • この省令改正によって、企業は新たな開示要件に対応するためのシステムやプロセスの変更が必要となり、特にリース取引や組合等への出資に関する情報の収集・整理・開示には、一定のコストと労力が発生する可能性があります。
  • 特に、リース契約の数が多く、多様な形態で取引を行っている企業や、市場価格のない株式を含む組合等への出資を多く持つ企業にとっては、その負担が大きくなる可能性があります。
  • また、新たに「者」という概念が導入されたことで、具体的な適用範囲や解釈において、一時的に混乱が生じる可能性も考えられます。
  • 特に、異なる法人形態の借手や貸手が存在する場合において、会計処理の統一性や比較可能性を確保するための実務的なガイドラインやFAQが求められるでしょう。
  • さらに、時価評価が困難な市場価格のない株式に関する開示は、評価の恣意性を排除し、客観性を確保するための基準の明確化が不可欠です。

法令情報

法令番号
内閣府令第七十五号
公布日
2025/08/22
掲載
号外190 1P~7P
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