高重要度
府令・省令
金融 › 保険
2025/07/23 (号外168)
保険業法第百三十二条第二項に規定する区分等を定める命令の一部を改正する命令
告示の概要
保険業法第百三十二条第二項等に基づき、保険会社の「保険金等の支払能力の充実の状況」に応じて金融庁長官が発動する行政命令の区分を定める命令の一部改正。今回の改正では、保険会社、外国保険会社等、免許特定法人、引受社員、および保険持株会社の子会社に対して適用される健全性基準の「保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」の各区分(非対象区分、第一区分、第二区分、第三区分)における基準値が引き下げられた。具体的には、非対象区分の基準が「二〇〇パーセント以上」に、第一区分が「一〇〇パーセント以上二〇〇パーセント未満」に、第二区分が「〇パーセント以上一〇〇パーセント未満」に、第三区分が「〇パーセント未満」にそれぞれ変更された。これにより、これまでより低い比率で行政命令が発動されるようになる。また、関連する業務報告書や保険計理人の確認事項、資本金等の健全性基準の算出方法も一部変更される。この命令は2026年3月31日から施行される。
解決される課題・利点
- この命令改正は、保険会社等の行政命令発動基準を適正化し、ソルベンシー規制の強化と早期介入を可能にすることで、保険契約者保護の強化と金融システム全体の安定性を図ることを目的としています。
- 行政命令発動のトリガーとなる「保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」の各区分における基準値が引き下げられたことにより、保険会社等の財務状況悪化をより早期に検知し、改善命令や業務停止命令を迅速に発動することが可能となります。
- 経済価値ベースの導入により、リスクの実態をより正確に反映した行政判断が可能となり、経営破綻の未然防止に貢献します。
- これにより、保険会社はより厳しい基準の下で財務健全性を維持することが求められ、結果として保険契約者に対する信頼性が向上することが期待されます。
懸念点・リスク
- 行政命令発動基準の引き下げは、保険会社に対する早期介入を可能にする一方で、過度な規制や、一時的な市場変動に対する過剰な反応を引き起こすリスクがあります。
- これにより、保険会社の経営の自由度が制限され、新たな保険商品の開発や事業拡大が阻害される可能性があります。
- また、行政の判断基準の透明性や、市場参加者への十分な説明がなければ、市場の予測可能性が低下し、不確実性が増大する懸念も内包しています。
- 過度な引き締めは、健全な経営を行う企業にも不必要な負担を強いる可能性があり、結果として保険業界全体の競争力低下や、消費者が享受できるサービスの多様性が損なわれることも考えられます。
- 規制当局による適切なバランス感覚と、市場の実態に即した柔軟な運用が求められます。
法令情報
- 法令番号
- 内閣府・財務省令第二号
- 公布日
- 2025/07/23
- 掲載
- 号外168 54P~62P
原文
保険業法(平成七年法律第百五号)第百三十二条第二項、第二百四条第二項、第二百三十条第二項及び第二百七十一条の二十九第二項の規定に基づき、保険業法第百三十二条第二項に規定する区分等を定める命令の一部を改正する命令を次のように定める。 令和七年七月二十三日 保険業法第百三十二条第二項に規定する区分等を定める命令の一部を改正する命令 内閣総理大臣 石破 茂 財務大臣 加藤 勝信 保険業法第百三十二条第二項に規定する区分等を定める命令(平成十二年総理府令第四十五号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線を付した部分をこれに順次対応する改正後欄に掲げる規定の傍線を付した部分のように改め、改正前欄及び改正後欄に対応して掲げるその標記部分に二重傍線を付した規定(以下「対象規定」という。)は、その標記部分が同一のものは当該対象規定を改正後欄に掲げるもののように改め、その標記部分が異なるものは改正前欄に掲げる対象規定を改正後欄に掲げる対象規定として移動し、改正前欄に掲げる対象規定で改正後欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを削り、改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを加える。 (保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じた命令) 第二条 法第百三十二条第二項の保険会社(法第二条第二項に規定する保険会社をいう。以下同じ。)の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定める命令は、次条に定める場合を除き、次の表のとおりとする。 [略] 保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分 非対象区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 二○○パーセント以上 第一区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 一○○パーセント以上二○○パーセント未満 第二区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 ○パーセント以上一○○パーセント未満 第三区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 ○パーセント未満 [略] (外国保険会社等の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じた命令) 第四条 法第二百四条第二項の外国保険会社等(法第二条第七項に規定する外国保険会社等をいう。以下この条において同じ。)の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定める命令は、第五項において準用する前条第一項から第三項までに定める場合を除き、次の表のとおりとする。 [略] (免許特定法人及び引受社員の支払能力の充実の状況に係る区分に応じた命令) 第五条 前条第一項の規定は、免許特定法人(法第二百二十三条第一項に規定する免許特定法人をいう。以下この条において同じ。)及び引受社員(法第二百十九条第一項に規定する引受社員をいう。以下この条において同じ。)について準用する。この場合において、前条第一項中「法第二百四条第二項」とあるのは「法第二百三十条第二項」と、「外国保険会社等」とあるのは「引受社員」と、「第五項」とあるのは「第五条第三項」と、「日本における業務」とあるのは「引受社員の日本における業務」と、「契約者配当又は社員に対する剰余金の分配」とあるのは「契約者配当」と、「支店等」とあるのは「総代理店の事務所」と、「日本における主たる店舗」とあるのは「総代理店の本店」と読み替えるものとする。 [略] (保険持株会社の子会社である保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じた命令) 第六条 法第二百七十一条の二十九第二項の保険持株会社(法第二条第十六項に規定する保険持株会社をいう。以下同じ。)の子会社である保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定める命令は、次条に定める場合を除き、次の表のとおりとする。 [略] 保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分 非対象区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 二○○パーセント以上 第一区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 一○○パーセント以上二○○パーセント未満 第二区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 ○パーセント以上一○○パーセント未満 第三区分 保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率 ○パーセント未満 [略] 第七条 保険持株会社が、保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率(前条第二項に規定する保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率をいう。以下この条において同じ。)が当該保険持株会社が従前に該当していた前条第一項の表の区分に係る保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率の範囲を超えて低下したことを知った後、速やかに、その保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率を当該保険持株会社が該当する同表の区分に係る保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率の範囲を超えて確実に改善するための合理的と認められる計画を金融庁長官に提出した場合には、当該保険持株会社について、当該区分に応じた命令は、当該保険持株会社に係る保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率以上で当該計画の実施後に見込まれる当該保険持株会社に係る保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率以下の保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率に係る同表の区分(非対象区分を除く。)に掲げる命令とする。ただし、当該計画が合理的でないことが明らかになった場合には、当該保険持株会社について、当該保険持株会社が該当する同表の区分に係る命令は、同項のとおりとする。 [略] 第八条 [同上] 附則 この命令は、令和八年三月三十一日から施行する。