国土交通省告示第八百八十九号
告示の概要
船員法施行規則(昭和二十二年運輸省令第二十三号)第三条の五の規定に基づき、航海当直基準(平成八年運輸省告示第七百四号)の一部を次のように改正し、千九百九十五年の漁船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から適用する。 次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線を付した部分をこれに対応する改正後欄に掲げる規定の傍線を付した部分のように改め、改正後欄に掲げるその標記部分に二重傍線を付した規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを加える。 改 正 後 I 総則 1 この告示は、千九百九十五年に改正された千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約及び千九百九十五年の漁船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の規定に準拠して、航行中の当直及び停泊中の当直(以下「航海当直」という。)を実施するときに遵守すべき基本原則を定めるものとする。 2 (略) II 航行中の当直基準 (1) 甲板部における当直基準 一 一般原則 (一)・(二) (略) (三) 漁船に乗り組んで甲板部の当直を行う職員は、二口からいまでに掲げるところによるほか、次に掲げる事項を十分に考慮して当直を維持すること。 イ 漁ろうに従事する他の船舶及びその漁具並びに航行中の速度で漁具を船外に出した状態での停止距離及び旋回圏の直径その他の自船の操縦特性 ロ 甲板上の乗組員の安全 ハ 操業、漁獲物の取扱い及び積付け並びに異常な気象及び海象の条件に起因する例外的な力によつて生じる復原性及び乾舷 ニ 安全水域(海洋法に関する国際連合条約第六十条4(同条約第八十条において準用する場合を含む。)に規定する安全水域をいう。)に留意した、海洋構築物への接近 ホ 国難破物その他漁具に危険を及ぼすおそれのある水中障害物 (四)・(五) (略) 2 漁船に乗り組んで甲板部の当直を行う職員は、漁獲物の積付けに当たつては、仕向港への航海中常に十分な乾舷及び復原性並びに水密性を確保するため必要な事項に注意を払うこと。この場合において、燃料及び食糧の消費、悪天候の危険性並びに特に冬期における着氷が生じやすい水域での甲板の露出面への着氷の危険性を考慮すること。 2 機関部における当直基準 (1) (略) (2) 当直の引き継ぎに関する基準 一 (略) 二 当直の引継ぎを受ける職員は、引継ぎに際し、次の事項を確認すること。 イ~ハ (略) ニ 漁船に乗り組んで機関部の当直を行う職員は、漁獲物の積込み又は陸揚げに必要な装置及びバラストその他船舶の復原性を確保するための制御装置に関する追加の要件に係る甲板部職員の要求について認識していること。 3 無線部における当直基準 III 停泊中の当直基準 1~4 (略) 改 正 前 I 総則 1 この告示は、千九百九十五年に改正された千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の規定に準拠して、航行中の当直及び停泊中の当直(以下「航海当直」という。)を実施するときに遵守すべき基本原則を定めるものとする。 2 (略) II 航行中の当直基準 (1) 甲板部における当直基準 一 一般原則 (略) (新設) (二)・(三) (略) (新設) (新設) (新設) (新設) (新設) (四)・(五) (略) (新設) 2 機関部における当直基準 (1) (略) (2) 当直の引き継ぎに関する基準 一 (略) 二 当直の引継ぎを受ける職員は、引継ぎに際し、次の事項を確認すること。 イ~ハ (略) (新設) 3 無線部における当直基準 III 停泊中の当直基準 1~4 (略)
解決される課題・利点
- 船員法施行規則に基づき、「航海当直基準」の一部が改正される。
- 改正内容は多岐にわたり、航行中の当直基準に関する「甲板部における当直基準」の「一般原則」に、漁船に乗り組んで甲板部の当直を行う職員が特に考慮すべき事項として、「漁ろうに従事する他の船舶及びその漁具、航行中の速度で漁具を船外に出した状態での停止距離及び旋回圏の直径その他の自船の操縦特性」「甲板上の乗組員の安全」「操業、漁獲物の取扱い及び積付け並びに異常な気象及び海象の条件に起因する例外的な力によって生じる復原性及び乾舷」「安全水域に留意した海洋構築物への接近」「難破物その他漁具に危険を及ぼすおそれのある水中障害物」が追加される。
- また、漁獲物の積付けに関する注意喚起や、機関部の当直基準における漁獲物の積込み・陸揚げに関する認識も追加される。
- 適用日は、千九百九十五年の漁船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日。
懸念点・リスク
- この告示改正は、漁船特有の航海安全リスクに対応するため、航海当直基準を具体的に強化することで、漁船における海難事故の防止、乗組員の安全確保、そして漁業の持続可能性を大幅に向上させることを目指します。
- 漁ろう活動は、通常の航海とは異なる危険要因(例:漁具の使用、積載物の動揺、他船との接触リスク)を内包しており、これまでの当直基準では十分にカバーされていなかった可能性があります。
- 本改正により、漁ろう中の船舶の操縦特性、漁獲物の積付けによる復原性への影響、海洋構造物への接近、水中障害物への警戒など、具体的な注意点が当直職員に義務付けられることで、現場での判断ミスや対応遅れによる事故リスクが低減されます。
- これにより、漁業従事者の生命と財産が守られるだけでなく、より安全で効率的な操業が可能となり、日本の水産業全体の信頼性向上と国際的な安全基準への適合性も強化されることが期待されます。
法令情報
- 法令番号
- 船舶
- 公布日
- Fri Sep 19 2025 00:00:00 GMT+0900 (Japan Standard Time)
- 掲載
- 本紙1552 5P~6P
原文
航海当直、安全基準、船舶、漁ろう、国土交通省