告示の概要
放送法の一部改正に伴い、放送法施行規則を改正する省令。主な改正内容は、必要的配信に関する技術基準や配信用設備の範囲、運用体制について定めるものである。特に、受信機が正常に作動するために必要なプログラムに関する規定や、配信用設備として「配信基盤」「配信番組等中継回線」「配信番組等伝送網」「認証設備」を定義。また、配信用設備におけるアクセス集中対策、サイバーセキュリティ確保、重大事故発生時の通知機能、他社設備利用時の適切な運用確保措置などを義務付けている。加えて、配信用設備等の概要届出や重大事故報告の様式も新たに規定された。
解決される課題・利点
- 本省令改正は、放送法の一部改正に伴い、インターネットを通じた放送番組の「必要的配信」の安定性、信頼性、および公平性を確保するための具体的な技術基準と運用ルールを確立します。
- これにより、視聴者は多様なプラットフォームを通じて、質の高い放送コンテンツにアクセスできるようになります。
- 特に、配信用設備の定義とアクセス集中対策の義務化は、大量のアクセスがあった際にも配信サービスが中断することなく、安定した視聴体験を提供するための基盤を強化します。
- また、サイバーセキュリティ対策の義務付けは、近年増加するサイバー攻撃から放送インフラを保護し、情報漏洩やシステム停止のリスクを低減する上で極めて重要です。
- 他社設備を利用する場合の適切な運用確保措置は、放送事業者が外部リソースを活用する際の品質と信頼性を担保し、放送サービスの全体的なレジリエンスを高めます。
懸念点・リスク
- 本省令改正は、放送事業者、特にNHKなどの「協会」に対して、配信用設備の整備や運用体制、セキュリティ対策に関する新たな義務を課すものであり、これには相当な投資と運用コストが発生する可能性があります。
- 特に、最新のサイバーセキュリティ対策やアクセス集中対策の導入、外部委託先との連携強化には、専門的な知識とリソースが必要となり、その確保が課題となる可能性があります。
- また、「必要的配信」の品質に関する技術基準や運用体制の詳細は多岐にわたり、これらを遵守するための内部規定の策定や従業員の研修、システム改修など、多大な労力が求められるでしょう。
- さらに、配信用設備として他社設備を用いる場合の監督義務は、外部ベンダーの選定や契約内容、運用状況のモニタリングにおいて、協会の責任範囲が広がることを意味します。
- これにより、外部委託のリスク管理が複雑化し、万が一の事故発生時には、責任の所在や原因究明に時間を要する可能性があります。
法令情報
- 法令番号
- 総務省令第八十三号
- 公布日
- 2025/08/22
- 掲載
- 号外190 8P~16P
原文
放送法の一部を改正する法律(令和六年法律第三十六号)の施行に伴い、並びに放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二十条の三第一項及び第四項並びに第百八十一条の規定に基づき、放送法施行規則等の一部を改正する省令を次のように定める。 令和七年八月二十二日 総務大臣 村上誠一郎 (放送法施行規則の一部改正) 第一条 放送法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十号)の一部を次のように改正する。 次の表により、改正前欄に掲げる規定の傍線(下線を含む。以下同じ。)を付し又は破線で囲んだ部分をこれに順次対応する改正後欄に掲げる規定の傍線を付し又は破線で囲んだ部分のように改め、改正前欄及び改正後欄に対応して掲げるその標記部分に二重傍線(二重下線を含む。以下同じ。)を付した規定(以下「対象規定」という。)は、その標記部分が同一のものは当該対象規定を改正後欄に掲げるもののように改め、その標記部分が異なるものは改正前欄に掲げる対象規定を改正後欄に掲げる対象規定として移動し、改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは、これを加える。 (番組基準等の規定の適用除外) 第七条 [略] 六 受信機が正常に作動するために必要なプログラム(法第二十条の三第七項に規定するプログラムをいう。次条及び第十四条の六において同じ。)の変換に必要な情報 [略] (配信用設備の適用の範囲) 第十四条の二 法第二十条の三第一項の基準のうち技術基準(同条第二項第一号に係るものに限る。)は、次条から第十四条の六までに定めるところによる。 (配信用設備の範囲) 第十四条の三 法第二十条の三第一項の総務省令で定める設備(以下「配信用設備」という。)は、次の各号に掲げるものとする。ただし、協会以外の配信の業務を行う者がその配信の業務のために運用する設備を除く。 一 配信基盤(法第二十条第一項第三号の配信及び同項第四号の配信における放送番組を構成する映像、音声及びデータ並びに番組関連情報(法第二条第三十二号に規定する番組関連情報をいう。以下同じ。)を取得し、調整し、及び保存するとともに、公衆又は第三号に規定する配信番組等伝送網からの求めに応じて映像、音声及びデータ並びに番組関連情報を送出する設備をいう。次号及び第三号において同じ。) 二 配信番組等中継回線(番組送出設備から配信基盤まで映像、音声及びデータ並びに番組関連情報を伝送する電気通信設備、配信基盤から次号に規定する配信番組等伝送網まで映像、音声及びデータ並びに番組関連情報を伝送する電気通信設備又は配信基盤間に設置する電気通信設備をいい、インターネットを利用してこれらを伝送するものを除く。) 三 配信番組等伝送網(配信基盤から送出された放送番組又は番組関連情報を配信を求める公衆の通信端末機器へ効率的に配信する設備をいう。) 四 認証設備(配信を求める公衆の受信契約の有無その他配信の利用に必要な情報及び権限等を確認する設備をいう。) (配信用設備のアクセス集中対策) 第十四条の四 協会が設置する配信用設備は、アクセス集中(特定の配信用設備に対し通信が集中することをいう。第十四条の六第三号において同じ。)が発生した場合に、これを検出し、継続的かつ安定的な配信を維持する機能を有するものでなければならない。 (準用規定) 第十四条の五第百四条、第百五条第一項、第百六条から第百九条まで、第百十一条、第百十三条、第百十四条及び第百十五条の二の規定は、協会が設置する配信用設備について準用する。この場合において、これらの規定中「放送の業務」とあるのは「必要的配信業務」と、第百四条中「番組送出設備、中継回線設備(送信空中線系及び受信空中線系を除く。)、地球局設備(送信空中線系を除く。)及び放送局の送信設備(送信空中線系を除く。)の機器」とあるのは「協会が設置する配信用設備」と、「放送を」とあるのは「必要的配信を」と、第百五条第一項中「番組送出設備、中継回線設備、地球局設備及び放送局の送信設備(以下この款において「放送設備」という。)」とあるのは「協会が設置する配信用設備」と、第百八条中「第百四条」とあるのは「第十四条の五において準用する第百四条」と読み替えるものとする。 以下略